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「ドン・キホーテ 前編(一)」 セルバンデス 岩波文庫

(あらすじ)
騎士道本を読みすぎて頭がおかしくなった中年の男が、
古ぼけた甲冑と、やせこけた馬に乗って、農夫のサンチョと共に旅に出る。
その道中、彼は妄想からくる突拍子もない行動を繰り広げ、行く先々で嘲笑される・・・。
前編三巻、後編三巻の全六巻。スペインの小説。

全般的に退屈だった。
ドン・キホーテは、妄想から、例えば、風車を倒すべき邪悪な巨人と思い込んで突撃し、
風車の羽に弾き飛ばされるなどの奇行を繰り返す。
たしかにユーモラスなのだけれど、
思い込み→突撃→返り討ち→大怪我というパターンを何度も何度も繰り返されると、
いい加減飽きてくる。
他には特に目を引く風景描写も心理描写もないので、
作者のユーモアに飽きた場合、この小説は全く楽しめないものになってしまう。

退屈さをこらえつつ読んだ中、一点だけ大爆笑した箇所がある。
それはサンチョがドン・キホーテに向かって話した羊飼いの物語。
話の内容はともかく、あんな突然に、しかも理不尽な終わり方をする物語を
未だかつて聞いたことがない。
ここだけは自分の笑いのツボにはまりまくった。
by komuro-1979 | 2006-01-09 19:09 | その他の国の小説
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