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「使える弁証法」 田坂広志 東洋経済

哲学者ヘーゲルの弁証法を使って、IT社会の未来を予想するという
この本のコンセプトはとても面白い。

しかし、マイナス点が多い。
まず、形式面で言うと、やたらと無駄な空白が多いのがいただけない。スカスカだ。
この本の本文は195ページだけれど、行をつめれば100ページぐらいに圧縮できそうだ。

肝心の内容面について言うと、
ここで紹介された弁証法の各法則を現実社会の事象に当てはめるのは、
難しいように思える。
例えば、「否定の否定による発展」の法則を考えてみたとき、
その法則の適用以前に、そもそも何と何が対立しているのかを見抜くこと自体が難しい。
本の中で著者は、これらの法則が当てはまった事例をたくさん挙げているのだけれど、
どれも結果論のように思えてしまった。

・・・
結論として、オススメできません。
ただ、アイディアは面白いので立ち読みの価値はあります。
スカスカなので、一時間もかからずに読み終わることができるでしょう。

<オススメ度>★★
by komuro-1979 | 2006-01-06 19:28 | 小説以外の本
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