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「レ・ミゼラブル(四)」 ユゴー 新潮文庫

この巻ではマリユスがかなり重要な役割を果たすのだけれど、
彼という人物がどうも好きになれなかったせいで、
前半のマリユスとコゼットの恋愛の部分は、あまり感情移入できなかった。

なんでマリユスが好きになれないのだろう?
たぶん、経済的にも思想的にも地に足がついてないし、
また、恋愛に関して自分勝手に思えたのだと思う。
だいたい、自分の恋が思い通りにいかないからって、
自分の死をちらつかせて相手を脅迫するのはちょっとなぁ・・・。
コゼットにはどうしようもないではないか。

また、エポニーヌに対してやたら冷たいのもマイナスだ。
恋愛の盲目状態のときは周囲には目はいかないものだから
それほど責められないのかもしれないが、
エポニーヌのけなげさとその悲しい結末と、マリユスの向こう見ずで強引な恋とを
どうしても対比してしまい、彼の恋の自分勝手さが目だって浮き上がってしまった。
by komuro-1979 | 2005-12-07 13:57 | フランスの小説
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