(あらすじ)
ジェロームとアリサは互いに愛し合うが、アリサはキリスト教上の信仰心から、 その愛を完全に受け入れることを拒み始め、苦しむようになる・・・。 ジェロームとアリサとの手紙のやりとりが良かった。 ああいう、相手を愛する気持ちを素直にしかも情熱的に告白した文章というものを、 思えばこれまで読んだ事がなかったので、新鮮だったし、どこか羨ましさも感じた。 (ちょっと気恥ずかしかったが・・・) 文章が非常に上手いこともあって、 途中までは物語の世界にぐいぐい引き込まれていったのだが、 アリサがジェロームへの愛と信仰とを天秤にかけるあたりから、 感情移入できなくなってしまった。 キリスト教徒ではない自分にとって、ジェロームへの愛と信仰心との葛藤に悩む アリサの気持ちはまったく理解できないばかりか、滑稽とさえ感じられてしまったのだ。 果たしてキリスト教徒ならば、アリサの心の葛藤を理解する事ができるのだろうか・・・? そんなわけで小説の後半はいまいち入り込めなかったが、 ただ、アリサの日記の 「・・・主よ、あなたが示したもうその路は狭いのです・・・二人ならんでは 通れないほど狭いのです」 という一文は、あまりに悲しく、強く心を打つものがあった。 <オススメ度>★★★★
by komuro-1979
| 2005-10-26 22:47
| フランスの小説
|
カテゴリ
以前の記事
2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 フォロー中のブログ
「む一ちょ写真日記」 『生活小説』生活 退屈男と本と街 愚者のつぶやき 積ん読帳 日々是読書 読書感想文+α 話すコトバをアタシは知らない Reading Tour 毒のある読書を えむきゅ 末葉日記 私的点描 メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||