今日はモリエールの「人間嫌い」を読んだ。
119Pの薄い本。戯曲ものはこれで2作品目だ。 物語の序盤。 主人公のアルセストは本音と建前を使い分けるこの人間社会(特にそれが顕著な社交界)に 嫌気がさしていて、自分は何事も本音で語るという決意を表明する。 すごい極端な人間だ。 言うまでもないことだけど、本音だけしか言わない人が 人間社会でうまく生きていけるはずもない。 ここまで読んだだけで、この先、この男がどんな揉め事を起こすのだろうとわくわくし始めた。 最初の揉め事はオロントから自作の詩の評価を頼まれた時に起こる。 出来の悪い詩ではあったが、主人公の友人であるフィラントはお世辞を言う。 一方、アルセストはオロントの「腹蔵のないご意見を聴かせていただきたい」(25頁) との言葉に従いボロクソにけなす。 (・・・すごい奴だ。自分だったら絶対お世辞を言ってしまう・・・。) オロントは当然のごとく憤慨し、裁判の一歩手前にいくまで揉めるのだが、 この一連のやりとりは面白かった。 アルセストの嫌う社交界の人間らしい振る舞いをするフィラントとアルセストとの 言動の正反対さが、社交界の本音と建前を表しているのを感じた。 その後の部分は・・・。 正直、面白いと思ったところはなかった・・・。 むしろ退屈だった。 物語とは関係ないが、思ったこと。 現実社会では本音はなかなか言えないが、 このブログでの読書感想は本音を書きたいと思った。 有名な文学作品の感想を書くとき、 それを「つまらない」と書くのがなんとなくためらわれる。 「この作品のよさが分からないとは、なんて無教養な人間だ」って思われそうだから。 でもつまらないものはやはりつまらないのだ。 アルセストみたいに本音でいきたい(笑) <オススメ度>★★★ ■
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by komuro-1979
| 2004-09-09 03:57
| フランスの小説
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