<   2006年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

「動物農場」 ジョージ・オーウェル 角川文庫

(あらすじ)
農場の動物たちが人間に対して反乱を起こし、
「すべての動物が平等な」理想社会の建設を目指す。
しかし、指導者のナポレオンをはじめとする豚たちは、
他の動物たちの知能の低さにつけこんで、権力を欲しいままに乱用し、
結果、他の動物たちの生活は前よりも一層ひどくなる。
動物たちを主人公にした寓話によって、ロシア革命を風刺した小説。

ナポレオンの、理想社会の看板を掲げた圧制に、
簡単に従ってしまう動物たちの愚かさがやるせなかった。
動物たちは知能が低く、指導者の腹のうちが全く見抜けない。
おまけに過去のことをすぐに忘れてしまうので、現在と過去との比較ができない。
そこをナポレオンにつけこまれ、見え透いた嘘や欺瞞に簡単に引っかかってしまっていた。
ああいう権力者を生み出してしまったのは、動物たちの愚かさに原因がある。

この小説は直接的にはロシア革命を風刺したものだ。
だけど、小説を読んでるときに、はるか昔の他人事という気はしなかった。
指導者の掲げる「改革」という言葉に盲目的に従ったはいいが、
改革とは名ばかりでほとんど何も変わっておらず、
強者が富む中、庶民の生活状況は悪化している
今の日本の現状を思い浮かべてしまった・・・と言うと、
思考が飛躍しすぎだと言われるだろうか?

・・・
ロシア革命云々と聞いて、難しい小説なのかなと思ってたけど、
全くそんなことはなかった。すらすら読める。そして非常に面白い。
超オススメの小説です。


<オススメ度>★★★★★
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by komuro-1979 | 2006-04-16 17:52 | イギリスの小説

「痴人の愛」 谷崎潤一郎 新潮文庫

(あらすじ)
真面目なサラリーマンである主人公は、カフェで知り合った少女ナオミを
引き取り、自分好みの知的で立派な女性に育て上げようとする。
しかし、その目論見は崩れ、ナオミは学なくわがままに、そして妖艶に育つ。
主人公は、そんなナオミの魅力の虜になり、身を滅ぼしていく・・・。

直接的な性的描写がないにもかかわらず、
ナオミのかもし出す妖艶な雰囲気のせいで、
小説全体がエロティックな雰囲気になっていたのがすごい。
特に、小説の最後のほうで、ナオミがいろんな手を用いて
主人公を篭絡させるシーンは圧巻。あれじゃあどんな男もイチコロだ。
なので、主人公がナオミの魅力に屈服して振り回される様子は、
一見、滑稽のようだけど、全く笑えなかった。

小難しさがまったくなく、文学小説らしさを感じさせない、
非常に読みやすい小説だった。
昼ドラで好んで使われそうなこの小説のストーリーは、
当時は目新しかったかもしれないが、今の時代、
ありふれていて、使い古された感がある。
しかし、それでも面白いものは面白い。
文学作品を気軽に読みたい時に、オススメの小説です。


<オススメ度>★★★★
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by komuro-1979 | 2006-04-14 12:52 | 日本の小説

「宴のあと」 三島由紀夫 新潮文庫

(あらすじ)
料亭の女将であるかづは、客として店に来た野口に惹かれ、結婚する。
その後、野口は都知事選に出馬を表明し、選挙戦に突入。かづはこれに協力する。
選挙を戦う中で、野口とかづの性格の相違が両者の間に溝をつくり、
やがて埋められないものとなっていく・・・。

かづと野口の、動と静の対比が際立っていた。
かづは、あれほど活動的で精力にあふれているのに、
自分と正反対の性質をもつ野口に惹かれたり、死後の孤独を恐れていたのが面白い。
そういう複雑なかづの心情がとてもうまく描写されていて、
かづという人間がほんとに存在していたかのような錯覚をうけるほどだった。

選挙戦のシーンの熱狂と疾走感の描写もすばらしかった。
自然と、かづの選挙にかける情熱にひきこまれてしまう。
それは、穏やかな恋愛のシーンが中心の小説前半とのギャップのせいで、
より一層際立って感じられた。

ストーリーは、かづと野口の性格・行動の鮮やかな対比を軸に進んでいくので、
とても整然とした構造を持った小説との印象を受けた。
そのせいか、非常に読みやすかった。
また、かづの心情描写や風景描写もすばらしく、
日本語の豊かな表現力と美しさを再確認させられた。
これはオススメの小説です。


<オススメ度>★★★★★
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by komuro-1979 | 2006-04-11 21:03 | 日本の小説

「ムーンパレス」 ポール・オースター 新潮文庫

(あらすじ)
父を知らず、幼い頃に母と死別した主人公は、伯父によって育てられる。
大学生のときに、大好きだったその伯父をも失くした主人公は、
絶望のあまり自暴自棄になって餓死寸前になるが、キティら友人によって救われる。
その後、彼は奇妙な仕事を見つけ、その仕事をこなしていくうちに、
自分の家系の謎にたどりつく・・・。

途中まではすごく面白かった。
伯父から送られた本をめぐるエピソードは、とても味わいがあってよかったし、
なによりエフィングとの共同生活のシーンは最高だった。
気難しい、変人気質の老人との共同生活というネタでつまらないわけがない。
彼は確かに変人であるが、内に隠れた知性と厚い情を秘めていた。
この小説の中で、もっとも魅力的な登場人物だった。

この共同生活の終わり以降、小説の面白さは自分の中で下降線をたどった。
その原因としては、まず、偶然に偶然がかさなる展開に、白けてしまったことが挙げられる。
「偶然」がひとつのテーマなのだろうが、やりすぎに感じた。
主人公はたいしたことは何もしてないのに、次から次へと莫大なお金が舞い込むうえ、
長年の家系の謎が勝手に解けていく。ついていけなかった。

次に、主人公とキティの恋愛に感情移入できなかったことが挙げられる。
キティという人物についての描写が少なすぎて、彼女の人間像をうまく作れなかった。
だから、そもそもなぜキティが主人公を好きになったのかがさっぱりわからず、
恋愛の出だしから感情移入できなかった。
恋愛の結末も、主人公の身勝手さばかりが目だってしまい、どうにも後味が悪い。
キティとの恋愛は小説後半の山場のなのに、さっぱり感情移入できず、
印象に残らなかった。

しかしなにより一番の原因は、やはり、主人公を嫌いになってしまったことだと思う。
彼は、何事も行き当たりばったりで現実感覚のない単なる甘ったれだと思えてしまった。
最初の餓死寸前になるエピソードのあたりから、主人公の情けない性格が鼻について、
少しイライラしていたのだが、最後のキティに対する仕打ちに至って、
主人公嫌いが決定的になった。これが小説全体の印象を決定的に悪くした。
主人公の成長を描く青春小説なのに、主人公に共感できなかったらどうしようもない。

・・・というわけで、なんだか不満ばかりになってしまった。
でもそれは、途中まで面白くて、期待しすぎたことの裏返しだと思う。


<オススメ度>★★★
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by komuro-1979 | 2006-04-09 19:33 | アメリカの小説

「I LOVE モーツァルト」 石田衣良 幻冬舎

売れっ子作家の書いたモーツァルト入門本。
内容を大きく分けると、①著者のモーツァルト体験②著者の思い入れのある10曲
③モーツァルトの生涯についての3つから構成されている。
②で紹介された曲は、付属のCDに収録されている。

②と③はよい。
さすが人気作家だけあって、文章がうまく、
曲の紹介文を読むと、その曲を聴いてみたい気にさせられる。
ただ、①はもうちょっと抑えてほしかった。
著者の小説の話や、自分の成りあがりストーリーなどは、
著者のファンじゃないと楽しめないと思うし、
「くどきのテクニックにクラシックを」など、
どうでもよい馬鹿馬鹿しい章があるのは勘弁して欲しい。
ここを控えめにし、②と③を厚くすれば
万人向けのかなり良い入門書になったと思う。

でもまぁ、CD付きなのに値段が1300円程度と安いので、お得感はある。
だから、オススメ度は★4つにしておきます。


<オススメ度>★★★★
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by komuro-1979 | 2006-04-08 12:11 | 小説以外の本

レビューのリスト

だいぶレビューがたまってきたので、カテゴリ別にリストを作ってみました。
ブログを始めた頃の投稿を除き、一冊一レビューとなってます。
(一つの作品が上巻と下巻に分かれている場合、それぞれ別にレビューしてます。)
日時は投稿した日時です。

(フランスの小説)

 39 「人間の土地」 サン=テグジュペリ 新潮文庫  2007-02-12
 38 「幻滅(下)」 バルザック 藤原書店 2006-03-15
 37 「幻滅(上)」 バルザック 藤原書店  2006-03-11
 36 「ジャン・クリストフ(四)」 ロマン・ローラン 岩波文庫  2006-02-27
 35 「ジャン・クリストフ(三)」 ロマン・ローラン 岩波文庫  2006-02-25
 34 「ジャン・クリストフ(二)」 ロマン・ローラン 岩波文庫  2006-02-22
 33 「ジャン・クリストフ(一)」 ロマン・ローラン 岩波文庫  2006-02-17
 32 「ボヴァリー夫人」 フローベール 新潮文庫 2006-02-07
 31 「レ・ミゼラブル(五)」 ユゴー 新潮文庫 2005-12-10
 30 「レ・ミゼラブル(四)」 ユゴー 新潮文庫 2005-12-07
 29 「レ・ミゼラブル(三)」 ユゴー 新潮文庫 2005-12-04
 28 「レ・ミゼラブル(二)」 ユゴー 新潮文庫 2005-11-29
 27 「レ・ミゼラブル(一)」 ユゴー 新潮文庫 2005-11-29
 26 「夜間飛行」 サン=テグジュペリ 2005-10-31
 25 「田園交響楽」 ジッド 新潮文庫 2005-10-29
 24 「狭き門」 ジッド 新潮文庫 2005-10-26
 23 「カンディード 他五篇」 ヴォルテール 岩波文庫 2005-10-06
 22 「モンテ・クリスト伯(七)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-10-01
 21 「モンテ・クリスト伯(六)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-09-30
 20 「モンテ・クリスト伯(五)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-09-29
 19 「モンテ・クリスト伯(四)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-09-28
 18 「モンテ・クリスト伯(三)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-09-27
 17 「モンテ・クリスト伯(二)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-09-26
 16 「モンテ・クリスト伯(一)」 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫 2005-09-25
 15 「ナナ(下)」 ゾラ 新潮文庫 2005-02-02
 14 「ナナ(上)」 ゾラ 新潮文庫 2005-01-29
 13 「女の一生」 モーパッサン 新潮文庫 2004-11-20
 12 「椿姫」 デュマ・フィス 新潮文庫 2004-09-15
 11 「ゴリオ爺さん」 バルザック 新潮文庫 ② 2004-09-13
 10 「ゴリオ爺さん」 バルザック 新潮文庫 ① 2004-09-11
 9   「人間嫌い」 モリエール 新潮文庫 2004-09-09
 8   「マノン・レスコー」 アベ・プレヴォ 岩波文庫 ② 2004-09-08
 7   「マノン・レスコー」 アベ・プレヴォ 岩波文庫 ① 2004-09-07
 6   「脂肪の塊・テリエ館」 モーパッサン 新潮文庫 2004-09-06
 5   「居酒屋」 ゾラ 新潮文庫 ② 2004-09-03
 4   「居酒屋」 ゾラ 新潮文庫 ① 2004-09-01
 3   「赤と黒」を読了! 2004-08-29
 2  「赤と黒(下)」を読書中 2004-08-28
 1  スタンダールの「赤と黒(上)」(新潮文庫)を読み始める 2004-08-27


(イギリスの小説)

22 「劇場」 サマセット・モーム 新潮文庫 2007-01-14
 21  「雨・赤毛」 サマセット・モーム 新潮文庫 2006-11-18
 20 「動物農場」 ジョージ・オーウェル 角川文庫 2006-04-16
 19 「1984年」 ジョージ・オーウェル ハヤカワ文庫 2006-04-01
 18 「デイヴィッド・コパフィールド(五)」 ディケンズ 新潮文庫 2006-01-04
 17 「デイヴィッド・コパフィールド(四)」 ディケンズ 新潮文庫 2006-01-01
 16 「デイヴィッド・コパフィールド(三)」 ディケンズ 新潮文庫 2005-12-30
 15 「デイヴィッド・コパフィールド(二)」 ディケンズ 新潮文庫 2005-12-27
 14 「デイヴィッド・コパフィールド(一)」 ディケンズ 新潮文庫 2005-12-25
 13 「女ごころ」 モーム 新潮文庫 2005-11-17
 12 「人間の絆(四)」 モーム 新潮文庫 2005-09-15
 11 「人間の絆(三)」 モーム 新潮文庫 2005-09-14
 10 「人間の絆(二)」 モーム 新潮文庫 2005-09-11
 9 「人間の絆(一)」 モーム 新潮文庫 2005-09-08
 8 「大いなる遺産(下)」 ディケンズ 新潮文庫 2005-09-04
 7 「大いなる遺産(上)」 ディケンズ 新潮文庫 2005-08-29
 6 「蝿の王」 ウィリアム・ゴールディング 新潮文庫 2005-02-25
 5 「クリスマス・カロル」 ディケンズ 新潮文庫 2004-11-11
 4 「月と六ペンス」 モーム 新潮文庫 ② 2004-09-29
 3 「月と六ペンス」 モーム 新潮文庫 ① 2004-09-28
 2 「林檎の樹」 ゴールズワージー 新潮文庫 2004-08-29
 1 オースティン 「自負と偏見」 新潮文庫 2004-08-19


(ロシアの小説)

 28  「二重人格」 ドストエフスキー 岩波文庫 2007-01-08
 27 「永遠の夫」 ドストエフスキー 新潮文庫 2005-11-28
 26 「外套・鼻」 ゴーゴリ 岩波文庫 2005-09-21
 25 「死の家の記録」 ドストエフスキー 新潮文庫 2005-08-07
 24 「はつ恋」 ツルゲーネフ 新潮文庫 2005-07-19
 23 「地下室の手記」 ドストエフスキー 新潮文庫 2005-01-18
 22 「悪霊(下)」 ドストエフスキー 新潮文庫 2004-12-11
 21 「悪霊(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 2004-12-03
 20 「貧しき人びと」 ドストエフスキー 新潮文庫 2004-11-17
 19 「イワン・イリッチの死」 トルストイ 岩波文庫 2004-11-10
 18 「クロイツェル・ソナタ 悪魔」 トルストイ 新潮文庫 2004-11-09
 17 「人はなんで生きるか 他四篇」 トルストイ 岩波文庫 2004-11-04
 16 「復活(下)」 トルストイ 新潮文庫 2004-11-03
 15 「復活(上)」 トルストイ 新潮文庫 2004-10-31
 14 「白痴(下)」 ドストエフスキー 新潮文庫 2004-10-26
 13 「白痴(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ② 2004-10-22
 12 「白痴(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 2004-10-16
 11 「罪と罰(下)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ② 2004-09-25
 10 「罪と罰(下)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ① 2004-09-23
 9 「罪と罰(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ③ 2004-09-22
 8 「罪と罰(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ② 2004-09-21
 7 「罪と罰(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ① 2004-09-19
 6 「桜の園・三人姉妹」 チェーホフ 新潮文庫 2004-08-30
 5 「アンナ・カレーニナ」をようやく読了! 2004-08-26
 4 昨日に引き続き 2004-08-23
 3 「アンナ・カレーニナ」中巻に突入  2004-08-22
 2 「アンナ・カレーニナ」 (トルストイ) の上巻を読んで 2004-08-21
 1 カラマーゾフの兄弟 2004-08-19
 

(ドイツの小説)

 18 「城」 カフカ 新潮文庫 2006-04-04
 17 「ファウスト(下)」 ゲーテ 新潮文庫 2006-01-27
 16 「ファウスト(上)」 ゲーテ 新潮文庫 2006-01-25
 15 「青春は美わし」 ヘッセ 新潮文庫 2005-11-19
 14 「魔の山(下)」 トーマス・マン 新潮文庫 2005-11-16
 13 「魔の山(上)」 トーマス・マン 新潮文庫 2005-11-12
 12 「審判」 カフカ 岩波文庫 2005-08-02
 11 「郷愁」 ヘッセ 新潮文庫 2005-08-01
 10 「荒野のおおかみ」 ヘッセ 新潮文庫 2005-07-28
 9 「春の嵐」 ヘッセ 新潮文庫 2005-07-22
 8 「知と愛」 ヘッセ 新潮文庫 2005-02-10
 7 「クヌルプ」 ヘッセ 新潮文庫 2005-01-21
 6 「デミアン」 ヘッセ 新潮文庫 2005-01-15
 5 「シッダールタ」 ヘッセ 新潮文庫 2005-01-05
 4 「車輪の下」 ヘルマン・ヘッセ 新潮文庫 2004-12-17
 3 「ヴェニスに死す」 トオマス・マン 岩波文庫 2004-11-15
 2 「若きウェルテルの悩み」 ゲーテ 新潮文庫 2004-10-28
 1 「トニオ・クレエゲル」 トオマス・マン 岩波文庫 2004-09-04


(アメリカの小説)

 12  「ティファニーで朝食を」 カポーティ 新潮文庫 2007-01-08
 11  「冷血」 カポーティ 新潮文庫 2006-12-17
 10 「ムーンパレス」 ポール・オースター 新潮文庫 2005-04-09
 9 「ハツカネズミと人間」 スタインベック 新潮文庫 2005-11-20
 8 「怒りの葡萄(下)」 スタインベック 新潮文庫  2005-11-06
 7 「怒りの葡萄(上)」 スタインベック 新潮文庫  2005-11-04
 6 「日はまた昇る」 ヘミングウェイ 新潮文庫 2005-07-20
 5 「武器よさらば」 ヘミングウェイ 新潮文庫 2005-06-07
 4 「偶然の音楽」 ポール・オースター 新潮文庫 2005-01-09
 3 「リヴァイアサン」 ポール・オースター 新潮文庫 2004-12-29
 2 「幽霊たち」 ポール・オースター 新潮文庫 2004-12-13
 1 「老人と海」 ヘミングウェイ 新潮文庫 2004-10-11


(日本の小説)
 
 27  「三四郎」 夏目漱石 新潮文庫  2006-11-26
 26  「彗星物語」 宮本輝 文春文庫 2006-11-20
 25  「2days 4girls」 村上龍 集英社文庫 2006-11-13
 24  「かまいたち」 宮部みゆき 新潮文庫 2006-11-05
 23  「手紙」 東野圭吾 文春文庫 2006-11-04
 22  「真夏の死」 三島由紀夫 新潮文庫 2006-09-24
 21 「博士の愛した数式」 小川洋子 新潮文庫 2006-08-27
 20  「けものみち(下)」 松本清張 新潮文庫 2006-08-09
 19  「けものみち(上)」 松本清張 新潮文庫 2006-08-07
 18  「潮騒」 三島由紀夫 新潮文庫 2006-08-06
 17 「美しい星」 三島由紀夫 新潮文庫 2006-07-23
 16  「点と線」 松本清張 新潮文庫 2006-07-01
 15  「青の時代」 三島由紀夫 新潮文庫 2006-05-14
 14  「午後の曳航」 三島由紀夫 新潮文庫 2006-05-06
 13 「痴人の愛」 谷崎潤一郎 新潮文庫 2006-04-14
 12 「宴のあと」 三島由紀夫 新潮文庫 2006-04-11
 11 「燃えよ剣(下)」 司馬遼太郎 新潮文庫 2006-02-14
 10 「燃えよ剣(上)」 司馬遼太郎 新潮文庫 2006-02-11
 9 「金閣寺」 三島由紀夫 新潮文庫 2005-12-23
 8 「壁」 安部公房 新潮文庫 2005-08-24
 7 「砂の女」 安部公房 新潮文庫 2005-08-22
 6 「人間失格」 太宰治 新潮文庫 2005-08-18
 5 「雪国」 川端康成 新潮文庫 2005-02-05
 4 「羊をめぐる冒険(下)」 村上春樹 講談社文庫 2004-10-10
 3 「羊をめぐる冒険(上)」 村上春樹 講談社文庫 2004-10-09
 2 「イビサ」 村上龍 講談社文庫 2004-09-18
 1 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 村上春樹 新潮文庫 2004-08-19


(その他の国の小説)

 8 「ドン・キホーテ(三)」 セルバンデス 岩波文庫 2006-01-14
 7 「ドン・キホーテ 前編(二)」 セルバンデス 岩波文庫 2006-01-12
 6 「ドン・キホーテ 前編(一)」 セルバンデス 岩波文庫 2006-01-09
 5 「クオ・ワディス(下)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫  2004-10-06
 4 「クオ・ワディス(中)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫  2004-10-05
 3 「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ③ 2004-10-02
 2 「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ② 2004-10-01
 1 「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ① 2004-09-30


(小説以外の本)
 
 22  「ドキュメント精神鑑定」 林幸司 洋泉社 2007-02-12
 21  「必笑小咄のテクニック」 米原万里 集英社新書 2006-12-19
 20 「I LOVE モーツァルト」 石田衣良 幻冬舎 2006-04-08
 19 「20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す」 宮下誠 光文社新書 2006-03-30
 18 「社会調査のウソ」 谷岡一郎 文春新書 2006-03-27
 17 「マンガでわかる統計学」 高橋信 オーム社 2006-03-25
 16 「君主論」 ニッコロ・マキアヴェッリ 講談社学術文庫 2006-03-18
 15 「はじめての現象学」 竹田青嗣 海鳥社 2006-03-05
 14 「中平卓馬の写真論」 中平卓馬 リキエスタの会 2006-02-02
 13 「メディア批判」 ブルデュー 藤原書店 2006-01-30
 12 「常識として知っておきたい世界の三大宗教」 歴史の謎を探る会〔編〕 河出書房新社
 11 自分を知るための哲学入門」 竹田 青嗣 ちくま学芸文庫 2006-01-17
 10 「使える弁証法」 田坂広志 東洋経済 2006-01-06
 9 「まなざしのレッスン」 三浦篤 東京大学出版会 2005-12-20
 8 「愚か者の哲学」 竹田 青嗣 主婦の友社 2005-12-17
 7 「人生の短さについて 他二編」 セネカ 岩波文庫 2005-12-15
 6 「そうだったのか!現代史」 池上 彰 ホーム社 2005-11-28
 5 「伝わる・揺さぶる!文章を書く」 山田ズーニー 新潮文庫 2005-11-27
 4 「ほんとうの敬語」 萩野貞樹 PHP新書 2005-11-23
 3 「哲学思考トレーニング」 伊勢田哲治 ちくま新書 2005-09-06
 2 「読書について 他二篇」 ショウペンハウエル 岩波文庫 2005-07-30
 1 「幸福論」 ラッセル 岩波文庫 2005-02-17
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by komuro-1979 | 2006-04-04 21:42 | レビューのリスト

「城」 カフカ 新潮文庫

(あらすじ)
測量士のKは、とある城の伯爵家から仕事を依頼され、
その所領の村に到着する。
到着したはいいものの、伯爵家からは仕事について何の連絡もない。
しかたなくKはその村で生活をすることにするが、
村人たちの奇妙な慣習や考え方に翻弄されることになる・・・。

不思議な小説だ。
まず、村人たちの思考回路についていけない。
理由なく役人たちを崇める一方で、
意味不明な理由でKを怒り、軽蔑する。
彼らは些細なことで突然キレるので手が付けられない。
また、村人たちだけじゃなく、Kの行動もかなりおかしい。
仕事の説明を求めて城にさっさと入ればいいのに、
どうでもいいことばかりに目を奪われ、回り道ばかりしている。
彼は何がしたいんだ?

そんなこんなで、頭のネジの外れた登場人物たちの織り成す不思議ワールドに、
すっかり頭が混乱。
それでも必死で食らいついていったのだけど、そんな努力もむなしく、
物語は突然、非常に中途半端なところで、なんの解決もないまま終わる。
一瞬、落丁かと思った。

結局、この小説を通じて作者は何を言いたいのだろう。
役所というものの不合理さや傲慢さ?
他所から来たものにとっては奇妙に感じられがちな、村人たちの慣習や考え方?
村の閉鎖性と他所者の孤独?
些細なことに振り回されて本来の目標を忘れがちな人間に対する警告?
人の心の移ろいやすさ?
考えてもさっぱり分からない。

・・・結論を言うと、
読んでて退屈だったというのが正直な感想。
村人とKの、本題から外れた論理的でない会話を、
長々と読まされるのは苦痛ですらあった。
カフカの有名な小説ではあるけど、残念ながら自分にはその楽しみ方が分からなかった。


<オススメ度>★★
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by komuro-1979 | 2006-04-04 20:59 | ドイツの小説

「1984年」 ジョージ・オーウェル ハヤカワ文庫

(あらすじ)
1984年、世界は3つの超大国に分割されていた。
そのうちのひとつ、オセアニア国では強力な全体主義体制が確立し、
人々は思想や言語から日常生活のあらゆることまで、完全に管理されていた。
この非人間的体制に疑問を覚えた役人ウィストンは、禁止されていた日記をつけ始める・・・。

人間の尊厳などまったくない、異常な管理社会。
正常な神経をもつ人間ならば、とてもじゃないが生きていかれないはず。
しかし、この国の統治システムは、あらゆる手段を用いて、
人の思想までも徹底的に管理し、いつしか誰も体制に疑問を持たなくなってしまう
(持つ動機すら失ってしまう)。
その統治の方法論は、小説の中盤以降で明らかになるのだけれど、
そのあまりの緻密さと無慈悲さに、背筋が寒くなった。

この小説の権力構造に順応している人たちが幸せだとは、どうしても思えない。
でもそれは、今のこの現代日本社会に生きる者の価値観で評価しているからなのだろうか?
もしも、この小説のような体制の国に生まれて、それに適合するように育てられたのならば、
自由や人権や平等がない中でも、幸福に生きられるのだろうか?
・・・人間は本能として、自由や人権などを求めるものなのだろうか?
そういったことを考えさせられる小説だった。

重くて暗くて救いようがないけれど、すばらしく面白い小説。
超オススメです。


<オススメ度>★★★★★
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by komuro-1979 | 2006-04-01 23:14 | イギリスの小説