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再開まで・・・

ひっそりと1冊分だけ更新しましたが、
忙しくて再開までにはまだまだ時間がかかりそうです。
定期的に訪問してくれる方(いるのか?)には、
ほんとに申し訳なく思っております・・・。
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by komuro-1979 | 2005-06-07 03:43 | 日記

「武器よさらば」 ヘミングウェイ 新潮文庫

(あらすじ)
第一次大戦中、イタリア軍士官として参戦した主人公は、
戦地で看護婦のキャサリンと出会う。
一時の遊びのつもりではじめたキャサリンとの恋愛は、
主人公が戦争で負傷し、キャサリンが彼を看病するうちに真の恋に変わる。
その後二人は恋を育んでいくのだが、戦争が彼らの運命を翻弄する・・・。


ベタベタの恋愛小説なのかなと思って読み始めたけど、
戦争の描写に予想以上に力点が置かれていたのが意外だった。
その戦争の部分の描写はスリル感があると同時に、
戦争の無意味さや理不尽さもしっかりと描かれており、
戦争小説としても十分楽しめる分量と内容だと思った。
仲間が無残に死んでいき、自分も窮地に陥る中で、
会えるかも分からないキャサリンのことを考えると気が狂ってしまうから、
なるべくそのことは考えまいとする主人公。
その心情に同情し、とても感情移入してしまった。

肝心の恋愛部分については、
そもそもなぜキャサリンが主人公を好きになったのかがよく分からず、
出だしからつまづいてしまった。
キャサリンは主人公に会ってすぐ彼に恋に落ちたみたいだが、
その辺の心理描写が少なくて展開が急なように感じた。

キャサリンと主人公の恋愛には、戦争の影が常にちらつく。
いずれ直面しなくてはならない厳しい現実から逃れようとするかのように愛し合う
2人の姿はどこか痛々しかった。

戦争も理不尽だったが、主人公とキャサリンに待ち受ける結末も理不尽だ。
主人公は自分の力ではどうにもできない大きな流れ(運命)のようなものに対して
抗うすべがなく、結局全てを失ってしまう。
人間は決して自分の運命には逆らえず、ただ翻弄されるだけのちっぽけな存在なのだ。
そのことに気付き、自分の無力感に苦しむ主人公の姿に胸が痛かった。

運命というものと人間のちっぽけさということを考えさせられたという点で、
読んだ後の読後感は恋愛小説というより哲学小説を読んだような感じだった。


<オススメ度>★★★★
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by komuro-1979 | 2005-06-07 03:39 | アメリカの小説