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「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ①

「クオ・ワディス」を読み始めた。今日は104ページまで。

この本は結構前に買っていたのだが、
上中下の3分冊である事から、今まで読むのを避けていた。
一時の読書熱がやや冷め、気合が足らなくなってきたのも、
避けていた理由の一つかもしれない。

めんどくさいんだもん。
短い小説を読んで感動が得られるなら、そっちの方が楽でいいし~(←わがまま)

では感想。
最初はとにかく人名がわんさか出てくる。
僕は記憶力がないので、逐一登場人物をメモするのだが、
今回は途中で投げそうになった。
いや、ほんとは重要人物以外はメモる必要はないんだけど、
最初のうちはどの人物が重要か分からない。
重要でないと判断してメモらなかった人物が、のちのち頻繁に出てきたりすると、
むかついて本を引き裂きそうになるので、とにかくメモった。
それが大変だった。

ストーリも序盤はみるところがなく、人名のメモ作業に追われたせいもあってか退屈だった。
が、リギアがペトロニウスの謀略により、ネロのもとに呼ばれたあたりから俄然面白くなってきた。
ネロは一体どういう人間なんだろう。宴に呼び出されたリギアの運命は?など、
好奇心がわいてくる。
話が壮大になり、気分が乗ってきた。

面白くなってきたところで今日は時間切れ。
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by komuro-1979 | 2004-09-30 03:43 | その他の国の小説

「月と六ペンス」 モーム 新潮文庫 ②

今日は時間が取れたので、
一気に最後まで読んでしまった。

ストリックランドの絵にかける執念は凄いものがある。
「絵に対する情熱」、それだけを身体という物体に詰め込んだような男だ。
彼が人間であり身体を持つことによって当然に起こる生理的欲求に逆らえず、
それが絵を描く妨げになるので憎憎しく思っているところなどは、面白かった。

ストルーヴはストリックランドの才能をいち早く認め、
そのために彼に尽くすのであるが、それがひどい形で裏切られる。
そのことについて、ストリックランドが全く良心の呵責を感じていないのが
なんとも救われなかった。
でも不思議な事に、彼の一貫して冷徹な態度の前では、
道徳というものが空々しく無意味に感じられるのが不思議だった。
芸術至上主義の人間に対して道徳を説くのは無意味ということなのだろう。
(それにしてもストルーヴはあの後どうなったのだろうか・・・)

この小説はストリックランドの一生を主人公の目を通して追っているだけなので、
ストリックランドに対する興味がどの程度わくかどうかが
読んで面白いかどうかの分かれ目になる。
僕は身近に芸術家がおらず、また今までそういう人たちの生き方に
それほど興味を払ってこなかったので、ストリックランドを通じて描かれる
芸術家の生活や考え方などは、とても新鮮で興味深かった。
それだけに、彼が次にどんなことをやらかして何を言うのか気になって、
次々とページを繰ってしまった。

・・・最後に、ちょっと本筋から外れるけど、
この小説のストリックランドのように、作品が同時代の人々には全く理解されず、
死後にそれがすばらしいものだと評価される。
そういうことが芸術の世界にはよくあると聞くけど、それって一体どういうことなのだろう?
ほんとに不思議だ・・・。


<オススメ度>★★★★
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by komuro-1979 | 2004-09-29 04:26 | イギリスの小説

「月と六ペンス」 モーム 新潮文庫 ①

「月と六ペンス」を読み始めた。今日は80ページまで。

平凡で善良で家族を愛する男と思われていた株屋のストリックランドが、
突然、職を投げ出し妻子を捨てて、パリに行ってしまう。
「絵を書きたい」、ただそれだけのために。

妻子を捨てた事をしつこく非難する主人公に対し、
彼はあっさりと自分の非を認めたばかりか、良心の呵責を全く感じていない様子。

「じゃ、世間であなたのことを、人でなしだの、鬼だのと言っても、それでかまわないとおっしゃるんですか?奥様やお子さんが、乞食をなすってもかまわないとおっしゃるんですね?」
「ああ、ちっとも」(80頁)

「あなたという人間は、箸にも棒にもかからない下劣な人間だ」
「さあ、それで君も胸が晴れたろう。食事に行こう」(80頁)

・・・このようなストリックランドの潔さが新鮮で面白い。
道徳とか世間の目とかに無関心な様子といい、
絵を描きたいという強烈な情熱といい、この人物に対する好奇心がわいた。

読んでて他に思ったことは、比喩が上手いということ。
これは物事に対する十分な観察眼がないとできないことだ。
そして、作者にはユーモアのセンスがあるということ。
特に皮肉は絶品だ。
思わずニヤッとしてしまうことが何度もあった。

これは面白くなりそうだ。
ちょっと読んだだけだが、今後の展開が非常に気になっている。
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by komuro-1979 | 2004-09-28 04:17 | イギリスの小説

はじめての食中り・・・

今日は、生まれて初めて食中りになった。
原因はおそらく夕食で食べた「お刺身盛り合わせ」の中のどれかに違いない。

夕食後10分もしないうちに、なんとなく胃に不快感・・・。
その段階ではたいしたことがなかったので、放置し、寝る。
(夕食後に寝るのが日課。僕は牛です)

30分後に起きて、本を読み始めたのだが、
さっきより胃の不快感が増している・・・。
かなり気持ち悪くなってきた。
おまけに心なしか腹も痛い・・・。

苦痛は段々と増してきている。もはや読書どころではない。
何でこんな目にあうのだ・・・?
風邪をひいてるわけでもないのに、これはどうもおかしい・・・。

今まで体験した事がない腹痛と吐き気のダブルパンチ・・・
・・・これはもしや・・・食中り!?

そしてトイレに直行。
あまりの苦しさに、噴出す冷や汗。
声にならない叫び。とめられない貧乏ゆすり。
汗が床に落ちる「ポタッ」という音が断続的に聞こえたのを覚えている。
(後は自粛)

脱水症状になりそうだったので、家族に水の入ったペットボトルを持ってきてもらい
トイレの中で苦しむ事5時間。
ようやく苦しみが和らいだ。
やっとの思いでトイレを脱出し、リビングで胃薬を飲む。
そしてその場で横になってF1を見ていたらだいぶ楽になった。

楽になったからこそ、こうしてブログの更新をしているわけです。

いやー、ほんとに苦しかった。
一日たたずに治ったのはマシなほうなのかもしれない。
それでもこの苦痛だ。
もう二度と体験したくない。
刺身が嫌いになりそうだ。
(というか何で俺だけ?家族もみんな食べたはずなのに・・・)
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by komuro-1979 | 2004-09-27 01:42 | 日記

「罪と罰(下)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ②

読み終わった!
あっという間だった。
毎日、夜中まで読んでしまい、
寝不足で体調を崩してしまった。

昔、一度挫折した事もあり、
つまらなかったらボロクソに書いてやろうと思っていたがとんでもない。
非常に面白かった。
あの時の自分と今との自分とで、何がどう変化したのだろう・・・。

全体を通しての感想だが、これがなかなか書きにくい。
というのは先を急ぎすぎて、内容を十分に味わうことなく読み終えてしまったからだ。
内容が難しいのももちろんある。
あと2回は読まないと、自分の中で消化できない気がする。

(以下、最初の3パラグラフはややネタばれ)

主人公は人を殺したことそれ自体に良心の呵責を感じ、苦しんでいるのかと最初思ったが、
実は自分の思想(非凡人は偉業達成のために凡人の血を流してもよい)の中の
「非凡人」ではない事に気づいてしまったことが苦しいのだという事が分かった。
彼の理論も苦しみも頭では理解できるが、心では当然納得できない。
非常に迷惑な奴だと思った。

でも、殺されたのは高利貸しの女なのだが、
当時高利貸しは禁じられていて、それをする者は人間ではないみたいな風潮があった
らしい事を読み終わった後で知った。
そのことを前提にして読むと、主人公に対する見方もまた変わる気がする。
(また読み直さねば・・・)

ポルフィーリィはやはり主人公を犯人だと確信していた。
確信しつつもあんな話をしたのか。
凄い奴だ。
こんな登場人物を生み出す作者は一体なんという人間だろうか。
人の心理を知りすぎている。
作者のような人間が刑事で自分が犯人だったら
即座に自白してしまいそうだ・・・と場違いな感想をもった。

スヴィドリガイロフは悪党だったが、
自分の生きかたに忠実なところに潔さを感じ、好感を持てた。
ルージンも含め、悪役がいい味を出している。
どちらもとても人間的で、その思考も行動も納得できる。
作者の描写力の凄さを感じた。

全般を通じて陰鬱で絶望的だったが、
最後は救われた。
主人公も読者である僕も救われた。
これまでの暗さが嘘みたいな、美しくも感動的なエピローグだ。
エピローグを読んでこんなすがすがしい気分になったのは初めてだった。


・・・
ほかにもいろいろ思うところはあった。
例えば家族愛と友人愛。最後の方で主人公が大地に接吻したところとか。
でも感想はこのくらいにします。
まだこの小説を十分に消化できてないし、
これ以上書くと自分の理解力のなさを暴露してしまいそうだから。
(もうすでに十分暴露している気もするが・・・)

オススメ度は星4つとしておきます。
個人的には絶対に読んで欲しいと思うけど、
この小説は合わない人は絶対に合わない気がする。
あと、ドストエフスキーの小説は「カラマーゾフの兄弟」を先に読んだが、
こっちのほうが全然読みやすく、面白かった。
前者はキリスト教の知識がないと十分に楽しめない気がする。


<オススメ度>★★★★
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by komuro-1979 | 2004-09-25 04:08 | ロシアの小説

「罪と罰(下)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ①

今日は下巻の142ページまで。

今回、印象に残ったのはまず主人公とソーニャとの対話。
家族のために身をささげ、骨を粉にするほど働き苦しみぬいているのに、
一向に家族の暮らしがよくならないばかりか、
いまや自分も家族も貧困の極みに陥ったソーニャ。
この絶望的な状況の中で、「神の奇跡」ただそれだけを信じて
なんとか正気を保っている。
そんな彼女に向かって、神の救いというものに疑問を投げかけ
心の中で「ばかな女だ!狂信者だ!」(87頁)と何度も罵倒し、
聖書の中の神の救いについて書かれた部分を読ませる主人公・・・。

この物語に満ちている「負のエネルギー」の強さはすさまじいものがある。
人間の負の部分をここまで生々しく言語化することができるのは凄いと思った。

また、主人公とポルフィーリィとの対話も非常に面白かった。
主人公は、ポルフィーリィが自分を犯人だと確信しており、
なぶりものにしようとわざととぼけた発言をしているのかと思って疑心暗鬼になる。
僕は、読んでいて、「すごい頭の切れる奴だ。そして人間を絶望させる方法を知っている。」
と思ったが、どうもそうではないらしい。
犯人は別にいると思っているようなふしがある。
これには主人公と共に僕も驚いた。

展開が全く読めない。
続きが気になって仕方がない。
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by komuro-1979 | 2004-09-23 04:07 | ロシアの小説

「罪と罰(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ③

上巻を読み終わった。
途中からどんどん面白くなってきて、
終わりまで一気に読んでしまった。

後半は特に面白かった。

まず、ラズミーヒンとペトローヴィチの社会主義についての論争。
ラズミーヒンが社会主義を痛烈に批判するのだが、
その中で女児虐待をもちだすあたり、
「カラマーゾフの兄弟」でイワンがキリスト教を批判した箇所とちょっと似ているなと思った。

また、主人公が犯人だとにらみ、いろいろカマをかけようとするペトローヴィチと、
それをかわす主人公とのやりとりは非常に緊迫感があった。

そして、主人公の、「人間には凡人と非凡人がいて、非凡人は破壊者であり、
法を踏み越え、自分の良心の声に従って他人の血を流す事もゆるされる」
という理論は、(もちろん賛成できないが)興味深く、
彼の犯した事件との思想的なつながりを感じさせ、面白かった。

ストーリー展開も、主人公に段々と迫っていく官憲の手や、
彼が罪の意識に苛まれる姿(特に罪の意識が彼に見せる夢の描写はすさまじい)、
突然彼に「人殺し!」と吐き捨てる謎の人物、
そして妹の婚姻についての家族との対立などなど、読者を飽きない構成だ。
次が知りたくてどんどん読んでしまう。

下巻を読むのが楽しみだ。
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by komuro-1979 | 2004-09-22 03:51 | ロシアの小説

「罪と罰(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ②

今現在、上巻の270ページ。
あまり進んでない。
読書は心身の状態が安定し集中力が発揮できないとなかなかはかどらない。
もっともそれは難しい本を読んでいるからかもしれないが。

物語のスジはとにかく暗い。
この暗さと、登場人物の理屈っぽさに耐えられない人は即挫折と思われる。
すくなくとも、人生ハッピーな人にこの本が向かない事は間違いない。
(というかそもそもこんな本を読もうと思わないか)

主人公は殺人を犯してしまうのだが、
どうもその前から精神を病んでいて、犯罪後にそれが一段とひどくなる。
それゆえ、主人公の思考と行動はひたすら不合理で陰鬱だ。
物語はそんな主人公を追っかけているわけだから、読んでるこっちの気分も沈む。

だけど退屈はしない。
小説の中で主人公の心理描写に多くの記述がなされるのだが、
それがとても緻密なのだ。
例えば、殺人を犯すに至るまでの思考と心理。
そして犯罪を犯している最中の切迫した心理状態。
そして犯罪後に犯した罪に押しつぶされそうになり
狂いそうになる主人公の心理。
これらの箇所の緻密な心理描写は、
読み手に主人公の異常な心理状態をストレートに伝える。
ひたすら圧倒された。

物語はいよいよ主人公に犯罪の嫌疑がかかりそうなところまできた。
主人公の心理描写を楽しみつつも、今後のストーリ展開も気になるところだ。
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by komuro-1979 | 2004-09-21 03:11 | ロシアの小説

「罪と罰(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫 ①

ついにリベンジする時がやってきた。
ドストエフスキーの「罪と罰」。
昔、途中で(・・・しかもかなり序盤で)、読むのを挫折した唯一の小説だ。

あれから6年。
あの時に比べれば人生経験も読書量も増えている。
果たして、今回は最後まで読み通すことができるのだろうか?
ただ読むだけじゃなくて、内容を理解し、楽しむ事ができるだろうか?
そんな不安を漠然と抱えつつ、読み始めた。

・・・!

なんだ!

おもしろいじゃないか!!
予想外に面白い。
どんどんページをめくってしまう。
一気に100Pほど読んでしまった。

今回、思った以上に面白いと感じた原因はどこにあるのだろう?

暗くて、悲観的で、陰気で、恥辱にまみれ、苦痛に満ち、あきらめと絶望の支配する世界観。
この小説のこのような世界観が、今の自分の気持ちにマッチしているのかもしれない。
それは例えば、気分がのってる時にはロック、悲しい時にはバラード・・・など、
その時その時の気分によって聴きたくなる音楽が変わる。
今までそれほど思い入れのなかった曲が
ある精神状態の時に聴くと、思いがけなくも心に響くことがある。
それと同じなのだろう。そう思った。

滑り出しは上々だ。


読んだ量が少ないので、内容についての感想は後日にします。

・・・余談ですが、挫折したのは上巻の44ページの6行目でした・・・。
(挫折するの早すぎだろっ!ってつっこみは無しの方向で・・・(笑))
そこまでの内容を全く覚えてないくせに、挫折したところだけははっきりと覚えている。
人間の記憶ってものは不思議だなぁ・・・(笑)
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by komuro-1979 | 2004-09-19 03:39 | ロシアの小説

「イビサ」 村上龍 講談社文庫

「イビサ」を読み終わった。
村上龍の小説を読むのはこれで8作目。

あらすじを紹介するにも、話のスジがぶっ飛んでいて上手く紹介できそうにない。
著者のあとがきにいうように、「自分と向かい合う旅、それを実践した女性の話」
ではあるのだが、途中に連れの男性を殺したり、ドラックに溺れたり、
ジョエルという自分の中の別人格と話したり、超能力?のようなものに目覚めたり・・・
・・・で、とにかくいろいろな出来事が起こるのだ。
全体的に性描写や残酷なシーンの描写がきつく、
登場人物もどこかおかしい人ばかりで、ストーリは破滅的。
好き嫌いがはっきりと分かれるだろう。

著者の他の作品でもそうなのだが、
主人公の思考の突飛さや変化になかなかついていけない。
なぜそんな考えに至るのか?どうしてそう思うのか?
それを解明しようにしてもヒントが少なすぎる気がする。
それでもなんとか自分なりに解釈して、咀嚼ながら進まないと
何がなんだかわからないうちに小説が終わってしまう。

今回はその通りになってしまった。
なんだかわからないうちに読み終わってしまった感じだ。
ああ、すっきりしない。
著者のあとがきを読むと余計に混乱する。
小説を読んでも著者の言いたかった事が全然掴めなかったからだ。
あとがきを読んでから読み始めたらよかったのかもしれない。

でもまぁ、理解はできなかったにしても、
読んでで退屈はしなかった。
なぜかどんどんページをめくってしまう。そこは不思議。


<オススメ度>★★★
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by komuro-1979 | 2004-09-18 01:12 | 日本の小説