カテゴリ:その他の国の小説( 8 )

「ドン・キホーテ(三)」 セルバンデス 岩波文庫

前巻と同じく、ドン・キホーテに関する描写は退屈な一方、
彼を取り巻く登場人物たちの身の上話は面白い。
これらの身の上話には、かなりたくさんのページが割かれているので、
ドンキホーテの存在を忘れそうになる。というか、忘れたくなる。
彼が登場すると、とたんにつまらなくなるから。
小説を読んでいて、主人公に対してこんな気持ちになったのはあまり記憶にない。
最後の方は、ドン・キホーテの会話はほとんど飛ばして読んでしまった。

なんで、肝心のドン・キホーテの描写があれほどまでに退屈なのだろうか?
いつも一本調子で辟易する。
退屈に感じるのは、騎士道物語についての知識が自分にないせいもあるだろうど、
もっと面白おかしく書けなかったものか。
あんな面白い余談が書ける作者なら可能だったはず。

もしかしたら、これはドン・キホーテがメインでなく、
登場人物たちの身の上話がメインの小説だったのか??
・・・それとも、自分の笑いのツボが他人とずれているのだろうか・・・?

これで前編三巻を読み終えた。
前編が出版され好評だったために、
後編の三巻が10年後ぐらいに執筆されたそうだけど、
前編がこれでは、ちょっと読む気になれないなぁ。


<前編のみのオススメ度>★★
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by komuro-1979 | 2006-01-14 19:30 | その他の国の小説

「ドン・キホーテ 前編(二)」 セルバンデス 岩波文庫

一巻ではサンチョの話が面白かったが、二巻でも、
ドン・キホーテの旅物語より、彼が途中で会った人物たちの長い身の上話などの
本筋から離れた部分のほうが断然面白い。
ドンキホーテの騎士道狂いのシーンって、面白いのか??
いつも同じ調子なので、飽き飽きしてしまう。

ただ、カルデニオやドロテーアの錯綜した人間関係問題に、
ドン・キホーテがどんなふうに関わっていくのか楽しみではある。
ドン・キホーテ単体では面白くないが、
彼が他人の問題に首をつっこむときに、はじめて面白くなりそうな予感が生まれる。
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by komuro-1979 | 2006-01-12 19:41 | その他の国の小説

「ドン・キホーテ 前編(一)」 セルバンデス 岩波文庫

(あらすじ)
騎士道本を読みすぎて頭がおかしくなった中年の男が、
古ぼけた甲冑と、やせこけた馬に乗って、農夫のサンチョと共に旅に出る。
その道中、彼は妄想からくる突拍子もない行動を繰り広げ、行く先々で嘲笑される・・・。
前編三巻、後編三巻の全六巻。スペインの小説。

全般的に退屈だった。
ドン・キホーテは、妄想から、例えば、風車を倒すべき邪悪な巨人と思い込んで突撃し、
風車の羽に弾き飛ばされるなどの奇行を繰り返す。
たしかにユーモラスなのだけれど、
思い込み→突撃→返り討ち→大怪我というパターンを何度も何度も繰り返されると、
いい加減飽きてくる。
他には特に目を引く風景描写も心理描写もないので、
作者のユーモアに飽きた場合、この小説は全く楽しめないものになってしまう。

退屈さをこらえつつ読んだ中、一点だけ大爆笑した箇所がある。
それはサンチョがドン・キホーテに向かって話した羊飼いの物語。
話の内容はともかく、あんな突然に、しかも理不尽な終わり方をする物語を
未だかつて聞いたことがない。
ここだけは自分の笑いのツボにはまりまくった。
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by komuro-1979 | 2006-01-09 19:09 | その他の国の小説

「クオ・ワディス(下)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 

中巻を最後まで読んでブログを更新したあと、
下巻を読み始め、一気に最後まで読んでしまった。
この小説は面白すぎる。そして壮大で感動的だ。

下巻ではいよいよキリスト教徒の虐殺が始まる。
競技場で彼らが次々と惨殺されていく様子はあまりに残酷で、目を覆いたくなる。
その容赦のなさに、リギアが助かる見込みは絶望的とも思われた。
ウィニキウスが願ったように、
競技場に引き出され無残な死を遂げる前に、病気で安らかに死を迎えて欲しいと、
読みながら願ってしまった。
(どんな結末を迎えたかはネタばれなので控えます・・・。)

しかし、ネロの残虐さはすさまじい。
しかも自分の残虐性に対して無邪気であることが、さらにその残虐さを引き立てている。
でも、それがこの物語のスケールを大きくしていると思った。
他にもたくさんの人間が登場するが、どれも血が通っていて
物語に登場する必然性を感じさせる。
個人的には、最後まで自分の生き方を貫いたペトロニウス、それとキロンが気に入った。

それにしても、この小説で描かれるキリスト教徒の姿は、神々しささえ感じられる。
競技場での虐殺の最中さえ信仰を捨てず、ひたすら神に祈る様子もそうだが、
キリスト教徒のグラコウスが柱に縛り付けられ、火を放たれて死ぬ直前にさえ、
「妻子を奪い、暗殺者をさし向け、しかも自分がそのいっさいをキリストの名において許したのちもなお、自分を死刑執行者の手に渡した男」(194頁)であるキロンを目の前で赦した場面は、感動で鳥肌が立った。

感動といえば、この小説は感動尽くしだ。
その感動の場面を一々挙げたらきりがない。
下巻だけでも他に、ウィニキウスとリギアの永遠の愛、ペトロニウスとエウニケの最後や
ペテロが「クオ・ワディス・ドミネ?」と言った場面、ウルススの雄姿・・・ほかたくさんある。

これほど壮大で感動的な物語は他にないのではないか。

宗教色の強いところが気になる人がいるかもしれませんが、超オススメです。


<オススメ度>★★★★★
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by komuro-1979 | 2004-10-06 02:23 | その他の国の小説

「クオ・ワディス(中)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 

中巻が読み終わった。

中巻では、キリスト教の教えに感化されつつあるウィニキウスの良心と、
リギアに対する欲望とのせめぎあいが詳しく描写された。
心の葛藤が非常によく描けているので、感情移入ができる。

彼は元々傲慢で向こう見ずで単純な人間のようだったが、
キリスト教に接するにつれて、その内面に好ましい変化が見られるようになる。
それはリギアに対する態度にも影響を及ぼし、
今までは自分勝手な愛、というか、彼女を自分のものにしようという単なる欲望だったのが、
今では彼女の人格を尊重し、彼女のために身をささげるという献身的な愛に変化した。

このようなウィニキウスの変化・成長は、
いままでの荒々しい彼の心知っているが故に、非常に好ましく思えた。
彼がリギアと庭園でお互いの気持ちを語り合い、愛を誓い合うところは
まるで神話の世界の物語のような、美しく愛に溢れたシーンだった。
二人のこの後の幸せを願わずに入られない気分なった。

しかし中巻の終盤は恐ろしい展開だ。
ローマの火事の描写の恐ろしさといったら・・・。
ウィニキウスと同じくリギアの身を案じてしまった。
地獄絵図のローマの中で、キリスト教徒が小屋にこもり、
奇跡を信じてひたすら祈る様子は、宗教的壮大さ?のようなものを感じた。

ああ、この後どうなるのだろう?
ネロの気を静める事に失敗したペトロニウスと、
ウィニキウスやリギアをはじめとするキリスト教徒の運命は?
下巻を読むのが非常に楽しみだ。
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by komuro-1979 | 2004-10-05 18:18 | その他の国の小説

「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ③

上巻を読み終わった。

今日読んだ部分で印象に残ったのは、まず、
ウィニキウスのリギアに対する愛の激しさ、そして憎しみだ。
愛と憎しみが表裏一体のものであることを改めて感じた。

次に、彼がキリスト教の集会に忍び込んだ時の心理描写のすばらしさ。
ウィニキウスがキリスト教の教えに初めて間近で触れた時に感じた、
心を鷲づかみにされるような畏怖や感動が、
読んでる僕の心に流れ込んでくるようだった。
キリスト教に入信するよう勧誘するなら、聖書を配るよりこの小説を配った方が
効果あるのではないか?と思ったほどだ。

ウィニキウスは、リギアの愛を勝ち得るためのもっとも大きな障害は、
キリスト教の教えであることに気づいたわけだが、これはもう絶望的に大きな障害だ。
どうするのだろうか?

しっかし、上巻はいいところで終わるよなぁ~・・・。
TVのバラエティー番組のCMに入る直前のような、気を持たせる終わりかただ。
続きが気になってしょうがない。
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by komuro-1979 | 2004-10-02 03:33 | その他の国の小説

「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ②

今日は233ページまで。

リギアの純粋さ、かわいらしさに非常に好感をもった。
彼女が宴で皇帝にひどい目に遭わされないかと、ヒヤヒヤしながら読んでいた。
だが、同時に敬虔なキリスト教徒である彼女の悲劇を予感してしまった。
ああ!この先彼女の身には、一体どんな運命が待ち受けているのだろう?

ウィニキウスは脳味噌筋肉バカに思えるが、
こういうある意味で純粋な人物は嫌いではない。
彼が単純に見えるだけに、ペトロニウスの狡猾さが引き立っている。
特に彼の宮廷での立場を維持するために、
ネロの機嫌をとるその手際は、読んでて感心する。

いやぁー、加速度的に面白くなってきたぞ!
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by komuro-1979 | 2004-10-01 03:44 | その他の国の小説

「クオ・ワディス(上)」 シェンキェーヴィチ 岩波文庫 ①

「クオ・ワディス」を読み始めた。今日は104ページまで。

この本は結構前に買っていたのだが、
上中下の3分冊である事から、今まで読むのを避けていた。
一時の読書熱がやや冷め、気合が足らなくなってきたのも、
避けていた理由の一つかもしれない。

めんどくさいんだもん。
短い小説を読んで感動が得られるなら、そっちの方が楽でいいし~(←わがまま)

では感想。
最初はとにかく人名がわんさか出てくる。
僕は記憶力がないので、逐一登場人物をメモするのだが、
今回は途中で投げそうになった。
いや、ほんとは重要人物以外はメモる必要はないんだけど、
最初のうちはどの人物が重要か分からない。
重要でないと判断してメモらなかった人物が、のちのち頻繁に出てきたりすると、
むかついて本を引き裂きそうになるので、とにかくメモった。
それが大変だった。

ストーリも序盤はみるところがなく、人名のメモ作業に追われたせいもあってか退屈だった。
が、リギアがペトロニウスの謀略により、ネロのもとに呼ばれたあたりから俄然面白くなってきた。
ネロは一体どういう人間なんだろう。宴に呼び出されたリギアの運命は?など、
好奇心がわいてくる。
話が壮大になり、気分が乗ってきた。

面白くなってきたところで今日は時間切れ。
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by komuro-1979 | 2004-09-30 03:43 | その他の国の小説