老漁師が一人で出漁し、4日にわたる死闘の末に巨大なカジキマグロを釣るも、
帰途サメに襲われ、釣った魚を食われてしまう・・・。 ただそれだけの話なのだが、非常に面白かった。 カジキマグロを捕まえるために、他に捕獲した魚を逃がし、 船のありとあらゆる設備を使い果たす。 体は傷つき、疲労のためになんども意識を失いそうになる。 陸では弱々しく見えるこの老人の、 漁にかける意気込みとその戦いぶりはすさまじい。 老人はカンジキマグロと戦ったが、自分の心とも戦っていた。 漁の途中、彼の心には何度も何度も孤独と弱気の波が押し寄せる。 一体彼は何回「あの少年がいたらなぁ・・・」と、口にした事だろう。 それでも勇気を奮い起こし、ついに打ち勝った。 そこに特に感動した。 死闘の末にようやくカジキマグロを釣り上げたが、帰途にサメに襲われる。 必死に抵抗を試みるも、結局、カジキマグロはサメに食われてしまう。 無情だ。 小説の最後の方の、旅行者の台詞がさらにその無情さに拍車をかける。 あの死闘は報われなかったのか? ・・・いや、 少年が老人の勇気をきっと引き継いでくれる。 そう思った。 <オススメ度>★★★★
by komuro-1979
| 2004-10-11 01:03
| アメリカの小説
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