「ファウスト(上)」 ゲーテ 新潮文庫

(あらすじ)
知識欲に溢れ、様々な学問を習得した大学者ファウストが、
世界の根源を究めようとして、魔法で悪魔(メフィストーフェレス)を呼び出し、契約をする。
若返りの薬を飲まされた彼は、少女グレートヒェンに恋をするが・・・。

この本は常々読みたいと思っていたのだけれど、
戯曲ものは苦手なので、今まで敬遠していた。

読み始めてまず、言葉がとても詩的なのが印象に残った。
日本語でも十分美しさが分かるのだが、できれば原書で読みたかった。
日本語に訳す過程で、どれだけ原作者の意図から離れて、
言葉それ自体の美しさが失われてしまったのだろうかと思うと、とても残念に感じる。
(この本の翻訳が悪いということではなく、翻訳するということそのものの限界の話です)

ストーリーは、ところどころ巻末の注釈を参照しなければ
意味がとれないところがあるが、基本的には分かりやすい。
世間と交わることを避けていたファウストが、
メフィストーフェレスによって力を与えられて世間と交わり、
その考え方を変化させていく過程は面白い。
えらそうなことばかり言っていたファウストが恋に夢中になる様子は、ちょっと可愛かった。
しかし、その恋の結末があまりに残酷だったのが、強く印象に残った。
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by komuro-1979 | 2006-01-25 02:27 | ドイツの小説
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