「永遠の夫」 ドストエフスキー 新潮文庫

(あらすじ)
妻がつぎつぎに愛人を替えていく中、夫という位置にしがみつくことしかできない男トルソーツキイ。妻の死後、彼はかつて妻の愛人であった主人公の下に現れ、理解不能な言動を繰り返す・・・。

トルソーツキイの、主人公に対する復讐心と尊敬の心。
この矛盾する心のせめぎあいが、彼の意味不明な言動となって表出する。
最初はその言動のあまりの突拍子のなさに、ただただ滑稽だと感じたのだけれど、
だんだんと痛々しく思えてきて、最後には憐憫の情さえ感じてしまう。
人間の感情とそれに基づく行動は、時として理性を裏切り、前後に矛盾する。
それをここまで狂気的に描けるのは、すごいと思った。

ただ、ラストは、お互い「抱き合って、泣」いて欲しかったかなぁ・・・(笑)

<オススメ度>★★★★
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by komuro-1979 | 2005-11-28 01:43 | ロシアの小説
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