「夜間飛行」 サン=テグジュペリ

一冊に「夜間飛行」と「南方郵便機」が収録されている。

「夜間飛行」は、郵便飛行業がまだ危険視されていた時代、
それに従事する人々の、仕事にかける想いを描いた物語。

読んで印象に残ったのは、仕事に対する男の美学だ。
主人公リヴィエールは、ほんとは情のある人間なのだが、
仕事ではそれを押し殺し、あくまで冷淡、冷徹で機械的に振舞う。
だけどその態度こそが、郵便飛行という危険な事業からパイロット達の命を守り、
また、事業の成功という目標へ向かう確かな方法だという信念をもっているのだ。
彼のその信念を貫く姿は非常にかっこよかった。

今、仕事上の目標をもっているけど、
自分の信念と現実の障害との間で葛藤している・・・といった状況にある人が読むと
大いに共感できるのではないかと思う。

「南方郵便機」は・・・。
とにかく文章が頭に入りにくい。
よく言えば詩的、悪く言えば気取ったまわりくどい文章。
寝不足の頭で読んだからか、それとも訳文が悪いのか、
もとの文章がそういう文章なのかわからないが、
文章との相性が悪くて四苦八苦。
ストーリーの流れすら満足に追えなかった。
同じ作者の文章なのに、なんでこんな違うんだろう?
挫折寸前になりながらも、なんとか最後まで読んだけど、結局頭に何も残らなかった。
いつか再読しよう・・・。

<オススメ度>「夜間飛行」★★★★★ 「南方郵便機」★★
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by komuro-1979 | 2005-10-31 14:58 | フランスの小説
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