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「人間の絆(一)」 モーム 新潮文庫

(あらすじ)
幼い頃両親を無くした主人公フィリップは、牧師である叔父に育てられる。
彼は生まれつき足が不自由で、常に劣等感に苛まれながら育つ。
一度は聖職者を目指すが、足を治して欲しいという神への願いが
通じなかった事がきっかけで信仰心が薄れ、
聖職者への道を捨ててドイツやロンドンで一人暮らしをするようになる・・・。

「人間の絆」全4冊。
だいぶ前に買ったのに、その分量の多さに尻込みし、積読本と化していた。
長編小説というのは「さぁ、読もう!」と、気合を入れないと、
なかなか読む気にならないんだよなぁ・・・。
他に手持ちの小説が尽きた事もあり、いよいよ観念して読み始めたというわけです。

さて、感想の方だけど、
一巻は特に面白くも無く、つまらなくもなくといったところ。
フィリップが様々な人間と出会い、その人たちの影響を受けて
成長していく様子が描かれているのだけど、
特に魅力的に感じた人物がおらず、また、たいした事件も起こらないために、
読んでてやや退屈に感じた。

唯一印象に残ったのは、
主人公とミス・ウィルキンソンとの恋愛の場面。
初恋の荒々しさや、主人公の思い描いていた恋愛と現実の恋愛とのギャップ、
そして恋愛が終わった時の冷静さ、冷淡さなどが、上手く描けていた。
ああ、恋愛ってこういうものだよな・・・と、読んでて色々思い出して
感傷的になってしまった。

二巻以降はもう少し盛り上がりが欲しいなぁ・・・。
by komuro-1979 | 2005-09-08 19:37 | イギリスの小説
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