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「大いなる遺産(上)」 ディケンズ 新潮文庫

(あらすじ)
幼い頃両親を亡くし、歳の離れた姉と、その夫である鍛冶屋のジョーに育てられた
主人公ピップ。
田舎で貧しい暮らしを送る中、ある日ピップは匿名の人物から
莫大な財産を相続する事に決まる。
その人物の指示のもと、ピップはロンドンに出て優雅な暮らしを始めるが・・・。

ストーリーが非常に分かりやすい。
そのせいで先の展開がある程度読めてしまう部分がある(笑)
小難しいことは一切なく、ただただ読者を他のしませるために書かれた小説という
感じがした。

主人公をはじめ、登場人物たちの人物描写がしっかりしているのがいい。
ジョーのように、「無口で学はないけど、常識をもっていて、心が温かく、
自分の仕事に誇りをもっている職人」という人物設定は、
他の小説でもよく見られる定番的なものだ。
普通なら定番過ぎて面白みがないのだけれど、
そこはきちっと魅力的に描かれている。
ジョーの他にもたくさん定番的なキャラが出てくけど、
みんなそれぞれ魅力的に感じた。

主人公はこの先どうするんだろう?わくわくする。
個人的には、金に踊らされて大事なものを見失った自分を反省し、
ジョーとの暮らしを取り戻すという展開になって欲しいけど・・・(笑)

オススメ度や全体の感想は、下巻を読んでからにします。
by komuro-1979 | 2005-08-29 00:15 | イギリスの小説
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