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「イビサ」 村上龍 講談社文庫

「イビサ」を読み終わった。
村上龍の小説を読むのはこれで8作目。

あらすじを紹介するにも、話のスジがぶっ飛んでいて上手く紹介できそうにない。
著者のあとがきにいうように、「自分と向かい合う旅、それを実践した女性の話」
ではあるのだが、途中に連れの男性を殺したり、ドラックに溺れたり、
ジョエルという自分の中の別人格と話したり、超能力?のようなものに目覚めたり・・・
・・・で、とにかくいろいろな出来事が起こるのだ。
全体的に性描写や残酷なシーンの描写がきつく、
登場人物もどこかおかしい人ばかりで、ストーリは破滅的。
好き嫌いがはっきりと分かれるだろう。

著者の他の作品でもそうなのだが、
主人公の思考の突飛さや変化になかなかついていけない。
なぜそんな考えに至るのか?どうしてそう思うのか?
それを解明しようにしてもヒントが少なすぎる気がする。
それでもなんとか自分なりに解釈して、咀嚼ながら進まないと
何がなんだかわからないうちに小説が終わってしまう。

今回はその通りになってしまった。
なんだかわからないうちに読み終わってしまった感じだ。
ああ、すっきりしない。
著者のあとがきを読むと余計に混乱する。
小説を読んでも著者の言いたかった事が全然掴めなかったからだ。
あとがきを読んでから読み始めたらよかったのかもしれない。

でもまぁ、理解はできなかったにしても、
読んでで退屈はしなかった。
なぜかどんどんページをめくってしまう。そこは不思議。


<オススメ度>★★★
by komuro-1979 | 2004-09-18 01:12 | 日本の小説
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